2022.06.27

伊東純也のプレーを風間八宏が分析。スピードは「無敵」。精度が上がったクロスは「敵がいない場所に供給できている」

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

風間八宏のサッカー深堀りSTYLE

第5回:伊東純也(ゲンク/日本)

独自の技術論で、サッカー界に大きな影響を与えている風間八宏氏が、国内外のトップクラスの選手のテクニック、戦術を深く解説。第5回は、カタールW杯のアジア最終予選で大活躍だった伊東純也のプレーをチェック。得意のスピードドリブルとクロスについて、どこが優れているのかを分析してもらった。

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無敵のスピード

 森保ジャパンが予想以上の大苦戦を強いられた、カタールW杯アジア最終予選。その窮地を救い、日本の予選突破に大きく貢献したのが、2019年からベルギーリーグのゲンクでプレーする伊東純也だった。

 とりわけ最終予選第5節のベトナム戦(アウェー)で決勝ゴールを決めると、続くオマーン戦(アウェー)でも試合終了間際の81分に再び決勝ゴールをマーク。その後の2試合でも続けてゴールを決めた日本の右ウイングは、4試合連続ゴールを記録して救世主となった。

圧倒的なスピードを武器に、日本代表を引っ張る活躍をしている伊東純也圧倒的なスピードを武器に、日本代表を引っ張る活躍をしている伊東純也 この記事に関連する写真を見る  言うまでもなく、そんな伊東の最大の武器は、傑出したスピードだ。たとえば、最終予選第8節のサウジアラビア戦(ホーム)では、酒井宏樹の縦パスに対し、対峙する相手DFを圧倒的スピードによって突破。南野拓実の先制ゴールをアシストしている。

 その速さについて、風間八宏氏も舌を巻く。

「とにかく、速い。競走させたら、ほとんど無敵だと思います。とくに10メートルくらいのスペースがあれば、それだけで違いを生み出せてしまう選手ですね。

 だから、ドルブル突破する時に、体からボールを離すことができる。以前紹介した久保建英や三笘薫も速い選手ですけど、彼らはドリブルする時にボールを体から離しません。おそらく、日本人選手でこれだけボールを離せる選手は、伊東のほかにいないでしょう。状況によっては、20メートルくらいボールを出して突破するシーンもあるくらいですから。

 もうひとつの特長は、ドリブルでボールを叩く(出す)時にまったく体が止まらないことです。結局、ドリブルが速い選手は、ボールと一緒に体がついてくるからスピードが落ちないわけです。その技術が伴ってなければ、せっかくのスピードも宝の持ち腐れになってしまいますからね」