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森保ジャパンに膨らむ不安。南野拓実と鎌田大地の立ち位置から見えるチームの閉塞感 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 森保監督は、長い活動時間を確保できないという代表チームの特性も踏まえ、選手個々が所属クラブで成長することを期待するコメントを常々口にしている。

 だが、実際の選手起用には、個々の成長を裏づける所属クラブでの活躍がさほど大きな影響を与えているようには感じられない。

「ここまで試合に出られない難しい期間が続いたことはなかった」

 昨季をそう振り返る南野は、「すべてのタイトル(獲得)の可能性を残してシーズンを最後まで戦えたことは、サッカー選手として充実していた」と言いつつも、こんなことを話している。

「(所属クラブで)試合にしっかり出場して、最高のコンディションでワールドカップを迎えたい。かつレベルアップしないといけない、とブラジル戦でも感じた。そういうことを踏まえて(来季の行き先を)決断できたらいい」

 自らが自身の出場試合減を憂い、ゲーム体力に不安を覚えている選手を、重要な試合で使い続ける。それが日本代表の現状だ。

 もちろん、活動期間が限られるからこそ、ワールドカップ最終予選を戦うなかで練度を高めてきた組み合わせを大きくいじりたくない。そうした側面はあるだろう。

 だが、今年のワールドカップは11月開幕という異例の大会であり、大会直前に使える準備期間は1週間程度。チーム作りと呼べるほどの活動ができる時間はない。

 だとすれば、その時点での選手のコンディションや調子を見極め、いわば"旬の選手"を見逃さないことが短期決戦を勝ち上がるためには重要な要素となるはずだが、むしろそれとは逆行するような選手起用が見られるのは、本番に向けて気になるところだ。

 過去のワールドカップを振り返れば、本田圭佑や乾貴士が日本代表をベスト16に導く活躍ができたのは、それまでの代表実績にこだわらない選手起用があったからではなかったか。

 6月シリーズをまさかの惨敗で締めくくることになった日本代表。そこに決して小さくはない不安を覚えるのは、0-3というスコアだけが理由ではないだろう。

 さまざまな面で対照的なふたりの存在は、現在の日本代表に漂う閉塞感を象徴しているように見える。

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