「ポイチに『もっと早く出せ』と言うておく」カタールW杯でレジェンド2人が期待するのは「三笘薫」

  • 小室功●取材・構成 text by Komuro Isao

日韓W杯20周年×スポルティーバ20周年企画
「日本サッカーの過去・現在、そして未来」
レジェンドたちが語る日本サッカーの「進化」
金田喜稔×木村和司 対談(2)

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――1998年に初めてワールドカップの本大会に出た日本は、その後も連続出場を続けています。おふたりにとって記憶に残る大会はありますか。

金田「やっぱり、日韓共催となった2002年のワールドカップが日本のサッカー界に与えた影響はとんでもなかった。この20年間に限って言えば、一番の驚きだった」

木村「テレビ解説のために(ワールドカップ初出場の)フランス大会に行ったけれど、トゥールーズで行なわれた日本の初戦、アルゼンチン戦は本当にワクワクしたよ。どんな試合になるかなって」

金田「フランス大会はチケット問題が勃発してな。現地まで行きながら、スタジアムに入ることができないという日本人が多かった。大変な騒ぎになった」

木村「スタジアムの周辺に日本の人たちがあふれていたのを覚えているよ」

金田「結局、そのフランス大会は3戦全敗に終わって、次の日韓大会はベスト16。ワールドカップの歴史のなかで、日本はさまざまな経験を積んでいるわけだけど、個人的には2006年のドイツ大会にものすごく期待していた。なぜなら、ヒデ(中田英寿)、(中村)俊輔、(小野)伸二、稲本(潤一)、高原(直泰)と、名前を上げていったらきりがないくらい、いいメンバーがそろっていたからね。

 でも、初戦のオーストラリア戦で逆転負けして、次のクロアチア戦で引き分けて、3戦目のブラジルではちんちんにされて、グループリーグ突破を果たせなかった。期待が大きかった分、ショックも大きかったな」

木村「ブラジル戦で、玉田(圭司)が先制ゴールを決めた時は『おおっ』と思ったけど、そのあと本気を出された」

金田「ジュニーニョ・ペルナンブカーノのブレ球シュート、見たでしょ? (川口)能活のほぼ正面に飛んできたのに、(ボールに)触れんかったもんな。世界レベルを見せつけられた」

木村「でも、あのブラジルを本気にさせたというのは、日本にとって大きいよ。強豪国はなかなか本気になってくれんから。前回のロシア大会では、(優勝候補のひとつと言われていた)ベルギー相手に2点をリードしながら逆転負けしたけど、ああいう悔しい思いが日本のサッカー界の将来につながっていくはずよ。やっぱり"本気"を経験しないと、成長できんからな」

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