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長友佑都を初めて見てから15年。不死鳥のように何度も蘇る「有言実行男」は、またも逆境を跳ね返すか (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

36歳の長友が救世主となる?

 5度目の対戦は0−1の僅差でありながら、実力差が大きかったのは確かだろう。それでも長友は、過去の対戦との違いを感じていた。

「僕がこれまで対戦したブラジルは、まったく手も足も出なかったし、太刀打ちできなかった。ブラジル戦後は常に悲壮感を感じて、何もできない自分に腹が立っていました。

 今日は1点差で負けましたが、点差以上の差はあったと思います。ただ、今までの何もできなかったブラジル戦と比べると、僕自身は手応えを持てた試合だと思います」

 右サイドでアピールできたことも、長友にとっては大きかったはずだ。

 もちろん、左には中山と伊藤、右には今回はケガで招集されなかった酒井宏樹(浦和レッズ)と山根視来(川崎フロンターレ)の存在がある。ワールドカップ本大会まで「生きるか死ぬかの戦い」は続くだろう。残り5カ月の間にアピールの機会は限られるだけに、まずは6月シリーズの残り2試合、キリンカップでのパフォーマンスに注目が集まる。

 15年に及ぶサクセスストーリーは、決して順風満帆だったわけではない。とりわけ近年は所属クラブで出番に恵まれず、所属先が決まらなかった時期もある。

 それでも長友は前を向き、自身を奮い立たせ、不死鳥のごとく何度も蘇ってきた。だからこそ今の逆境は、成長を止めない長友の新たな糧となるはずだ。

「相手が強くなるほど、自分の実力を発揮できる」

 有言実行の男である。スペイン、ドイツと対峙するカタールの舞台では、9月で36歳となった長友が日本を救うかもしれない。

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