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日本代表の欠点がパラグアイ戦は劇的改善。ただし鎌田大地は引っ張りすぎた (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

残るメンバーをどう使い回すのか

 選手交代のタイミングもいつになく早かった。6人の選手をテキパキと早めに代えた。先述の浅野に加え、吉田麻也、遠藤航もハーフタイムでベンチに下がった。

 それに対してこの日、最も活躍が目立った鎌田はフル出場を果たした。この日の鎌田を10段階で採点するなら8.5~9の間となる。続いて三笘8、山根7.5、堂安、遠藤、浅野、原口各7......と続くが、ヨーロッパリーグチャンピオンの一員である鎌田は、その中でひときわ輝いていた。洒脱なボール操作、広い視野、冷静な判断力、得点に絡む動きと、現在の日本人ナンバーワン選手であることを世に知らしめた格好だ。

 だが、ご承知のように、鎌田はW杯アジア最終予選の半ばからスタメン落ちし、後半には招集外となっていた。森保監督から信じ難い扱いを受けていた。

 そうした意味では鎌田をフルタイム出場させたパラグアイ戦の采配は真っ当に見えるが、筆者にはそれがありがた迷惑というか、ムダ遣いに見えて仕方がなかった。中3日で行なわれるブラジル戦を考えれば、それは引っ張りすぎを意味する。

 吉田麻也、遠藤を前半でベンチに下げた森保采配の意図が、ブラジル戦にあることは明白だった。大一番に備えて早めに身体を休ませようとする監督の狙いが伝わってきた。

 試合はその時点で2-0。2点差は1点を返された瞬間、1点差だ。油断できないスコアになると心配する小心者は世の中に数多くいるが、その状態で活躍した選手を「お疲れ様」と言ってベンチに下げた後に、逆転負けを喫してもショックは少ない。常に先を見据えた強化をしたい、代表チームの親善マッチの場合はとりわけだ。

 だからこそ、そのひとりに鎌田も加えられるべきだった。前半45分を見ただけで、その偉大さは再認識できたはずだ。中3日で行なわれるブラジル戦にベストな状態でプレーさせたい選手だと判断したならば、パラグアイ戦の舞台に最後まで立たせる必要はまったくない。パラグアイに大勝するより、ブラジルに接戦するほうが代表強化には断然、役立つのだ。

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