日本代表の招集メンバーはマイナーチェンジ。選ばれないのが不思議なオススメの選手4人 (5ページ目)
そこで、荒木遼太郎(鹿島アントラーズ)の日本代表招集である。まだU-20ワールドカップの中止が決まっていなかった昨秋、U-19日本代表キャンプでの練習試合を見ていても、荒木は同年代の選手のなかで際立った余裕や落ち着きを見せていた。風格や貫禄と言い換えてもいい。それほどに彼のプレーぶりは別格だった。
だとすれば、もはやU-20代表の枠には収まらない選手を上のカテゴリー、すなわちA代表に加えることは、それほど不自然なことではないはずだ。
もちろん、将来性だけを理由に、下駄を履かせて荒木を招集すべきだと言っているわけではない。今季のJ1を見ても、荒木はすでに9ゴールを挙げており、鹿島の攻撃に欠かすことのできない存在となっている。国内組のひとりとして、日本代表に選出されても不思議のない実績を残している選手だ。
現在、鹿島では主にトップ下を務めるが、流れに応じてサイドにも中央にもポジションをとることができ、幅広くプレーに絡むことができる。単なるチャンスメイカーにとどまらず、確実にフィニッシュにも絡もうとする意識が、ゴール増につながっているのだろう。
日本代表の2列目は激戦区であり、しかもタイプの異なる多彩な顔ぶれが揃っている。タイプ的に言えば、鎌田大地や南野拓実といった選手が、荒木が超えるべき存在になるのだろうが、現時点で言えば、すぐにポジションを奪い取ることは難しいだろう。
だが、そもそも招集されたメンバー全員が最終予選のピッチに立てるわけではないのである。たとえ即戦力ではないとしても、伸び盛りの20歳を日本代表に加えることは、荒木個人に限らず、同世代全体にとって大きな刺激となるに違いない。東京五輪代表監督を兼務した森保一監督なら、その効果のほどはよくご存知だろう。
明らかにU-20レベルを超えたプレーを見せる20歳の抜擢は、決して意外なことではないはずなのである。
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