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U-24日本代表、決勝トーナメントのキーマン。「沈黙する切り札」の力が必要になる時がくる (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

「本番は総力戦になる」とは、大会前から多くの選手の口にしていた言葉だが、特にグループリーグ最後のフランス戦では、文字どおりの「総力戦」を実践して見せた。

 ダメ押しとなった、試合終了間際の4点目が象徴的だ。

 この得点は自陣深い位置からのカウンターアタックで生まれたのだが、起点の旗手からFW上田綺世→MF三好康児→MF相馬勇紀→FW前田大然と、この試合が初先発、あるいは途中出場だった選手だけでつなぎ切り、完結させたゴールだった。

 誰が試合に出てもチーム力を落とさないことは、過密日程の短期決戦を勝ち上がるための重要な条件だが、今の日本はそれを満たしつつある。

 だが、その一方で、だからこそ気にかかる選手がいる。

 MF三笘薫だ。

本当の意味での「総力戦」となる決勝トーナメント。三笘薫の爆発が期待される本当の意味での「総力戦」となる決勝トーナメント。三笘薫の爆発が期待されるこの記事に関連する写真を見る ここまでの3試合、三笘が出場したのはメキシコ戦のみ。時間にして途中出場での10分あまりにすぎない。得意のドリブルも、まったくと言っていいほどキレを欠いた。

 昨季J1で強烈なインパクトを残し、東京五輪でも同様の活躍が期待されていたことを思えば、あまりに物足りない内容である。

 ケガの影響があったことは確かだろう。所属の川崎フロンターレでAFCチャンピオンズリーグ(ウズベキスタンで開催)に出場し、その間に右太腿を負傷。東京五輪直前キャンプに全体集合から約1週間遅れで合流したあとも、極めて軽い別メニュー調整が続いていた。

 それでも、どうにか本番には間に合った。メキシコ戦に出場したあとも、自身のコンディションについて「ベストだと思っている」と話してはいた。しかし、臨戦過程を考えれば、100%にあるとは考えにくい。

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