日本人で最強のヘディングの名手は誰か。秋田豊が理由も解説、トップ10を決めた (2ページ目)

８位　小村徳男（元横浜マリノスほか）

　小村さんは、年齢だと僕が１つ下の同世代です。日本代表でよく一緒にプレーしました。彼は守備面でのヘディングもそうですが、とくに得点能力で非常に優れていましたね。

　ゴール前で得点できる選手は、相手の視野から一度消えて、また出てくる駆け引きの動きがうまいんですが、小村さんはDFながらその点が上手でした。アジリティを生かして、ヘディングのポイントに入っていくスピードもありました。

　そしてクロスに対してゴール前に入るタイミングも良くて、高いクロスでも低いクロスでも合わせる技術があるのは、大変なストロングポイントでしたね。セットプレーでの得点力は本当に秀でていました。

７位　長谷川祥之（元鹿島アントラーズほか）

　長谷川さんはスペースに飛び込むのではなく、真上に飛んでヘディングをするタイプでした。このジャンプ力が本当にすごかった。ボールが頭に来た時は、味方に正確に落とすし、得点も決める。まさにヘディングの職人でした。

　Ｊリーグが開幕する前のイタリアでのキャンプで、僕がサブ組、長谷川さんがレギュラー組で試合をした時に、ヘディングの競り合いで長谷川さんの後頭部を割ってしまったことがありました。

　それから、僕はレギュラー組に入るようになったんです。なぜかと言うと「レギュラー組を怪我させないため」。それ以降は、練習で長谷川さんとヘディングで競り合う機会はほとんどなくなりました（笑）。

高さと強さを兼ね備えたヘディングで活躍した岩政この記事に関連する写真を見る６位　岩政大樹（元鹿島アントラーズほか）

　岩政は僕の後に、鹿島で同じタイプのへディンガーとして活躍した選手です。落下地点の読みと、サイズを生かした最高打点の高さが優れていて、練習生で鹿島に来た時から非凡な高さを持っていました。

　CBとしても非常に優れていたし、ここぞの場面で、ヘディングで点も取れるメンタルの強い選手でした。

　それから高さに加えて、パワー面でも非常に秀でたものを持っていました。僕はヘディングで競る時に相手に「もう２度と秋田とは競りたくない」と思わせるくらいガツンと行くんですけど、岩政もそういうタイプのCBでしたね。