五輪代表メンバーがほぼ見えた。残る枠の選考は首脳陣の眼力が問われる (2ページ目)
橋岡が浦和レッスを離れ、日本人選手が多数プレーするシント・トロイデンに移籍したのは今年の初め。シーズン途中の移籍だったが、3月6日のシャルルロワ戦から、右サイドバック、あるいは右ウイングバックとして、スタメンフル出場を続けた。シント・トロイデンはベルギーリーグ15位。三好が所属するアントワープ、伊東純也が所属するゲンクに比べると、チームのレベルは大きく落ちる。そこをどう評価するかだが、森保一監督は、今回U―24 のみならず、日本代表にまで抜擢。まさに2階級特進の勢いで、遠藤渓太ともども、海外移籍を成功させた。
◆サッカー東京五輪代表メンバーを識者が大予想。18人はこうなる!
話は前後するが、注目されたオーバーエイジ枠に選ばれた3人は、吉田麻也(サンプドリア)、酒井宏樹(マルセイユ)、遠藤航(シュツットガルト)の3人だった。いずれも低い位置で構える守備的な選手である。この決定をしたのは、森保監督なのか。U-24の横内昭展監督のか。「金メダルを狙う」(森保監督)なら、この選考こそ最重要ポイントになる。誰を選ぶかでサッカーが大きく変わることは言うまでもない。議論は尽くされるべきだし、選者には結果に対する責任も発生する。
今回の五輪チームの、一番と言いたい問題は、監督の姿が鮮明でないことだ。森保監督なのか、横内監督なのか。今回、U-24日本代表と日本代表は日程が重なるため、U-24は横内氏が監督として采配を振るう。兼任監督としてスタートした森保監督だが、U-24の監督を満足に務める機会は、時間とともに激減。そうした流れの中で、オーバーエイジ枠という決断を下す時を迎えた。
自国開催の五輪だ。開催に否定的な国民が多数を占め、さして盛り上がっているようには見えないものの、今回は一大事である。不成績を収めることは許されない。
その覚悟が、今回のメンバー発表の会見から窺えたかといえば、ノーだ。3人を選んだ理由について、丁寧な説明はなかった。
今季、ブンデスリーガで大した活躍ができていないとはいえ、大迫勇也(ブレーメン)は、3人の中に加えるべきか否か、悩まなくてはならない選手になる。林大地(サガン鳥栖)、前田大然(横浜F・マリノス)、上田綺世(鹿島アントラーズ)、田川亨介(FC東京)という、今回選ばれたU-24の前線の顔ぶれを見渡せば、ボールを収めることを得意にする選手はいない。
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