「ポスト長友」を真剣に考える。識者がオススメする選手ベスト3 (2ページ目)

浅田真樹氏(スポーツライター)

1位=安西幸輝(ポルティモネンセ)
2位=中山雄太(ズヴォレ)
3位=室屋成(ハノーファー)

 ポスト長友佑都をあくまでも「4バックの左サイドバック」と位置づけた場合、正直、適役はすぐに思い浮かばない。海外組の酒井宏樹(マルセイユ)、室屋成に加え、Jリーグでも山根視来(川崎)、松原健(横浜F・マリノス)が台頭している右サイドバックに比べ、人材は質量ともに見劣る。誰を選ぶにしても、消極的選択にならざるを得ない。

 直近の日本代表戦(3月の韓国戦、モンゴル戦)では、国内組のふたり、佐々木翔と小川諒也が起用されたが、推しの材料はあまり見当たらなかった。やはり海外組に頼ることになるのだろう。

 昨秋のカメルーン戦で先発起用され、前半で交代となった安西幸輝は、チーム全体として低調な内容だったなかでの"被害者"でもあった。彼自身がいい出来でなかったのは確かだが、わずか45分で見切ってしまうのはもったいない。

 Jリーグ時代を振り返っても、賢くプレーできる選手であり、継続して使うことができれば、チームにフィットし、パフォーマンスが高まる可能性はあるのではないだろうか。

 また、昨秋以降の日本代表戦6試合を見たとき、最も落ち着いたプレーを見せていた左サイドバックは、中山雄太だった。守備で目立った破綻はなく、攻撃のサポートもまずまず。左利きに加え、日本人としては高さがあることも利点となる。現状では、最も無難な選択だと言えるかもしれない。

 ただ、中山にしても左サイドバックが本職ではない。スペシャリストの中から適任者を見つけようとすれば、必然的に選択肢は狭まってしまう。だとすれば、他のポジションからのコンバートをもっと視野に入れる必要があるのだろう。

 本来右サイドバックの室屋成は、やや絞った位置にポジションを取り、巧みに中盤と関わることもうまい選手だけに、左でもソツなくこなしてくれそう。同じく右の山根や松原らとともに、一考の余地がありそうだ。 

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