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加地亮が選ぶ日本人SBベスト10。内田篤人や長友佑都より強烈な選手がいた (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

◆日本人No.1ドリブラーは誰か。元日本代表のレジェンドがトップ10を決定>>

3位 内田篤人(元鹿島アントラーズ、シャルケほか)

 ウッチーは外せませんね。鹿島アントラーズで、高卒1年目で先発に抜擢されて出てきた時は、ちょっと衝撃でした。オーバーラップするタイミングの良さ、加速するスピードを目の当たりにして「お、新しい時代のサイドバックが来たな」と思いました。守備よりも、攻撃で相手をねじ伏せるイメージですね。

 僕もそうでしたかが、従来のサイドバックだとオーバーラップで思いっきりあがっていって、クロスならクロス、シュートならシュート。そういう感じでプレーがはっきりしているものでした。

 でもウッチーの場合は、何をしてくるのかわからないんです。クロスにしても、ファーサイドに柔らかいボールを入れてきたり、相手DFとGKの間に鋭いボールを入れてきたり。そうかと思ったら、切り返して左足でシュートを打ってきたりもしました。ペナルティーエリアに入ってきても、状況を見てプレーを選択できる余裕がありました。サイドバックらしからぬ発想力、創造性は、ほかの選手にはないものを持っていましたね。

 それからウッチーは、女性人気もありましたね。人気も実力も日本トップクラスで、プレースタイルも含めて、日本の新しいサイドバック像をつくってくれたと思います。

2位 長友佑都(マルセイユ)

 もう鉄板の、日本を代表するサイドバックだと思います。誰が見てもわかる身体的な強さと、1対1の圧倒的な強さがあって、攻撃でも良いクロスをあげますよね。攻守の安定感、レベルの高さから2位に選びました。

 セリエAのインテルで長くプレーをして、ワールドカップでも活躍しましたけど、海外のトップ選手と対峙しても止められるディフェンス力は、やはり日本のサイドバックのなかではトップクラスだと思います。日本代表では相手に強力なアタッカーがいても、彼に任せておけば大丈夫だろうという安心感がありました。

 FC東京でやっていた頃と比べると、アップダウンの数は減ったと思います。オーバーラップして、確実に仕事ができるタイミングでしかあがらなくなった。それは逆に、自分の裏のスペースを自分でしっかりと埋められるタイミングを見ているんです。

 誰かにカバーに入ってもらうのではなく、自分で穴をつくらないような動き方になった。それは守備のしっかりしたセリエAでの経験でしょう。オーバーラップした穴を突かれるのを嫌がられるんでしょうね。

 イタリアだけではなく、トルコやフランスと、いろんな国でプレーした経験から、サイドバックとしてより洗練された選手になったと思います。

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