スペインの智将がU-24アルゼンチン戦を分析。「勝機はあった」第1戦の分岐点とは? (2ページ目)
そして21分、優勢だったアルゼンチンが決勝点となる先制点を決めている。
日本は、敵陣からのボールをトップ下のマティアス・バルガスに収められてしまう。板倉滉がマークについたが、サイドを走り込まれ、折り返される。それをノーマークだった長身ガイチに頭で放り込まれた。
この失点に関して、私は日本のミスというよりも、『アルゼンチンのすばらしいゴール』だったと考察している。アルゼンチンの前線の選手は、この時以外も、マークを引き連れ、はがし、何度かゴール前に迫っていた。それが実った1点と言えるだろう」
エチャリは、失点につながったプレーそのものを強く非難することはなかった。むしろ、日本の反撃に注目した。機動力を生かした攻撃的スタイルの日本にとって、そこで得点できるかどうかがバロメータになるのだ。
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「その後はアルゼンチンがリトリートしたこともあって、日本はボールを持つ時間が増えた。後半はその傾向がさらに顕著になった。アルゼンチンが途中から4-1-4-1にして中央の守備を固める一方、日本は攻撃のコンビネーションに活路を見出した。
トップ下として自由を与えられていた久保は、際立つプレーだった。中盤と連係しながら守備し、スペースを走って広げ、ボールを運んで相手にダメージを与える。試合の流れに適応し、三好らとのコンビネーションが光った。セットプレーでのキックも大きな武器で、GKを脅かしていた。
後半21分に相馬勇紀を投入したあたりから、日本は完全にペースをつかんでいる。テクニックの高さとスピードが顕著になり、嵩にかかった攻撃となる。久保のコーナーキックからGKのパンチングを渡辺皓太がミドルで狙い、三好が左足で中に入って、ファーポストから相馬があと一歩のところまで迫った。
そして最大のチャンスは、後半29分の波状攻撃で勝ち取った左サイドからのコーナーキックだろう。相馬が右足で蹴ったインスイングのボールを、渡辺剛がヘディングで飛び込み、叩き込むだけだったが、これをすらせてしまう。単純なミスとも言えるが、チーム全体で押し込み、相手を混乱させ、つかんだチャンスで、外したのは痛恨だった」
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