2021.04.08

スペインの名指導者が田中碧を絶賛。「3人に囲まれてもパスを出せる」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 代表撮影:日本雑誌協会

「全体的に、とても好感の持てるチームだった。0-1で敗れた第1戦と比べて、アルゼンチンよりも優位に立っていた。とりわけ、前半は出色の出来だった」

 スペイン人指導者、ミケル・エチャリはU―24日本代表対U―24アルゼンチン代表の第2戦後、日本が3-0で勝利した内容を激賞した。

 エチャリは一昨年まで15年以上、バスク代表(FIFA非公認)の監督を務めていた。それはバスクサッカー界の名指導者に与えられる栄誉職に近いものだが(他にホセ・アンヘル・イリバル、ハビエル・イルレタ、ハビエル・クレメンテらも務めた)、当時最強を誇ったバルサの主力を中心としたカタルーニャ代表を破った戦いは、今も守備戦術の手本として語られている。ウナイ・エメリ(ビジャレアル監督)、フアン・マヌエル・リージョ(元ヴィッセル神戸監督)、ガイスカ・ガリターノ(前ビルバオ監督)など、多くのバスク人指導者に影響を与えてきた。

 そのエチャリが、若き日本代表の戦いをほめちぎった。0-1と敗れた第1戦についても悲観論は述べておらず、現実的な指摘で、改善点を挙げていた。

「日本は第1戦からスタメン9人を入れ替えた。同じポジションで出たのは久保建英だけで、板倉滉もセンターバックではなく、ボランチでの出場だった。第1戦から中二日で、疲労面も考慮したのか。

 一方、アルゼンチンはそこまで選手を入れ替えていない。その分、体の動きは鈍かった。試合を通じて、後手に回っていた。

 序盤はお互いがやり合う形だったが、そこで日本が優位に立つ。自分たちがボールを持って、敵陣内に押し込んだ。第1戦よりも目に見えてその時間が増えた。相手の激しいプレーにも適応し、それを回避するだけの力を示したと言えるだろう。

U-24アルゼンチン代表との第2戦に先発、勝利に貢献した田中碧 特記すべきは、ボランチで先発起用された田中碧だ。

 田中はバックラインからボールを受けると、強いプレッシングの裏を取ることができた。プレービジョンに優れ、体の動きで相手を外し、簡単にボールを前へつないでいた。相手が3人で囲んできても、それも無力化し、パスを出していた。ただのつなぎ役だけでなく、プレーの方向を変えて逆を取るロングパスは出色で、裏を狙った縦パスも見事だった。