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スペインの名指導者が田中碧を絶賛。「3人に囲まれてもパスを出せる」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 代表撮影:日本雑誌協会

◆ミケル・エチャリがU-24アルゼンチン第1戦を分析。「勝機はあった」分岐点とは?>>

 第1戦と比べて、日本は2列目から前へボールを運ぶことができるようになっていた。その点で田中の貢献度は高いだろう。前線の選手たちの技術やコンビネーションの高さを見せられるようになって、アドバンテージを得た。

 中でも、久保のプレーセンスは飛び抜けていた。動きのひとつひとつに意味があって、幅を使えるし、深さを取れる。プレースピードも際立ち、攻撃の中心と言える。

 日本はボランチに入った田中、板倉を中心に中盤で緩急を作って、アルゼンチンを翻弄。敵陣で攻め続ける機会が増えた。そこで相手が挽回しようとラインを押し上げ、前からプレッシャーに来たところだった。前半終了間際、瀬古歩夢が一気に裏を突く縦パスを林大地に入れ、先制点を決めた。林はゾーンで守る相手ディフェンスの鼻っ面を引き回すようなダイアゴナルランニングで抜け出すと、GKとの1対1も小さなフェイントを入れ、確実にネットを揺らしている」

 エチャリはそう言って、冷静に先制点を分析した。そして第1戦で改善点のひとつとして挙げていた「高さ」が補強されていたことが、快勝につながったことを明らかにしている。

「後半、アルゼンチンは第1戦で活躍した選手を投入し、勝負に出た。高い士気を取り戻し、序盤はいくつものセットプレーを奪い、勢いを得ている。しかし高さの優位を見せられず、得点できなかった。

 日本は第2戦、板倉が中盤に入って、高さを増強していた。第1戦ではセンターバックとして先制点で隙を許したが、ボランチとしては田中と連係し、キーマンとなった。とりわけ、ゴール前での高さで優位を与えていた。

 後半23、28分と、板倉は立て続けに久保のCKを頭で合わせて叩き込んでいる。完全に競り勝ったヘディングはすばらしかった。攻撃でも守備でも制空権を得たことが、リードを広げる結果になったのだ。

 その点、板倉はマンオブザマッチに値する活躍を遂げたと言えるだろう。

 しかしプレー改善のためにあえて言えば、後半は引き離したとはいえ、日本のプレーテンポは落ちていた。

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