森保Jの左SB問題は解決したか。守備対応に収穫も継続課題は進展せず (4ページ目)
日本が最も危険なシーンを迎えたのは、50分。久保のミスから相手にボールを奪われてパスをつなげられ、左サイドからペペにドリブルによる進入を許すと、さらにボックス内でパスをつなげられ、最後はケシエがシュートしたシーンだ。
シュートはバーの上に外れたので救われたが、中盤でボールを奪われたあとに相手の連動性のある攻撃を受けたそのシーンは、皮肉にも本来森保ジャパンが目指している攻撃の形だった。
それでも、日本がコートジボワールにゴールを脅かされたのは、その直前の48分にジェルビーニョに角度のないところからシュートされたシーンと、63分に柴崎が頭でバックパスしたボールをペペに奪われ、そのままシュートされたシーンくらいで、それ以外に大きなピンチはなかったのも事実だった。
相手にボールをキープされても、日本の守備陣が個で勝負を仕掛けるコートジボワールの両ウイングに対してしっかりと対応。個人対個人の戦いで負けず、吉田と冨安のCBを中心とするディフェンスラインが崩壊することはなかった。これは、今回の2試合で森保ジャパンが手にした最大の収穫と言える。
逆に、日本がもっとも効果的なカウンターを見せたのは62分。センターサークル内で伊東のスライディングでボールを奪取したところから始まり、こぼれたボールを拾った遠藤が素早く前方の鎌田に預け、鎌田が左でフリーになっていた途中出場の南野へ。そこからのクロスを相手ボックス手前で、フリーの伊東がシュートを狙ったシーンだ。
日本が記録した後半のクロスは前半と同じ10本で、そのうち8本が右サイドからのクロス。試合を通して攻撃が右サイドに偏っていた。これは、左SBの中山が本職ではなかったため、多くの攻撃参加が望めなかったのが原因と考えられる。実際、中山が後半に記録した2本のクロスは、相手の素早い寄せに遭っていずれもブロックされている。
もちろん中山は、守備面では上々の内容だったので及第点のパフォーマンスと言えるが、今回の2試合で4バックの左SBを務めた安西も中山も、長友不在時の解決策にならなかったのは否めない。この問題は次回に持ち越しとなった。
4 / 5