2020.10.17

スペイン人指導者が日本代表
カメルーン戦に苦言。「ボランチは左右逆」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

「7人前後の選手が攻撃に関与してしまい、非常に危険だった。守備の準備が不足し、敵にスペースを明け渡していた。その点については以前も指摘したことがあるが、懸念される戦い方だった」

 スペインの目利き、ミケル・エチャリは日本代表のオランダ遠征、スコアレスドローに終わったカメルーン戦を分析している。

 2014年のブラジルワールドカップに向け、エチャリは日本について同じ不安を指摘していた。アルベルト・ザッケローニ監督が率いる代表は「自分たちらしさ」というお題目でひとつの形を作り上げたが、その過程で変質があった。攻撃ばかりで前がかりになって、手数を掛け過ぎ、守備がおろそかになった。そして警鐘を裏付けるように、本大会では攻守のバランスが崩れ、脆くも敗れ去った。

「言いにくいことだが、あえて言わせてもらいたい」

 そう語ったエチャリは、カメルーン戦をどのように見たのか?

柴崎岳とともにカメルーン戦でボランチを務めた中山雄太「日本は前半、4-2-3-1の布陣で挑んでいる。だが序盤、堂安律がクロスを送るまで、ほとんど攻め込めていない。冨安健洋がいいカットを見せるなどしたが、攻撃はノッキングしていた。

 カメルーンは前半、4-1-4-1のフォーメーションで試合を優勢に進めている。サイドバックが幅を取ってボールを引き出し、サイドの選手が労を惜しまずに動いてそのサポートに入った。ディフェンスラインから丁寧にショートパスをつなぎ、ビルドアップができていた。中盤も数的優位を作って、長いボールで日本を脅かすシーンがあった。

 一方、日本は攻撃への意欲を見せたものの、7人前後の選手が攻撃に関与し、バランスの悪さが見えた。敵にスペースを明け渡してしまい、ポジション的な不利が濃厚に出ていた。不用意に攻め込まれて、クロスやシュートに持ち込まれる場面があった。そして、こぼれ球を拾われて波状攻撃を食らうなど、危惧すべき戦い方だった。

 日本は、いつものようなコンビネーションを使ったビルドアップができていない。セーフティファーストだったのか、縦に単純にボールを蹴り込む機会が多かった。それが攻め急ぐ印象を与えた。率直に言って、攻守のバランスが悪かった」