初代表でいきなりドーハの三浦泰年。
「僕のせいでW杯に行けなかった」 (2ページ目)
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「それはよく覚えています。試合が終わって、ピッチに座っているカズの横に行って、何かを言うわけでもなく、立っていた。あれだけW杯に賭けてきたからね。カズの無念さや悲しみは痛いほどわかった。僕らは兄弟だけど、選手としても一番好きなのがカズだったんです。
自分が代表に呼ばれなくても自分のチームのように応援することができたのは、カズの存在があったから。カズが僕の代わりに走っている、ボールを蹴っているという感覚があった。だから、代表に呼ばれてカズと一緒にプレーできるのが、すごくうれしかったし、この楽しい時間が少しでも長く続いて欲しいなって思っていました......」
しかし、最後にサッカーの神様は三浦兄弟を、そして日本を奈落の底に突き落とした。三浦は再びカズが立ち上がるまで、その場を離れなかった。
ドーハからしばらくして、三浦は、ふとこんなことを思ったという。
「あの時、僕の行くべき場所は弟のカズのところではなく、むしろゴンとか他の選手のところだったのかなぁって思ったんです」
三浦は、カズがブラジルから戻り、W杯に出場することにすべてを賭けてきたことを誰よりも理解していた。掴みかけていた目標を目前で失い、ショックを受けた弟の気持ちを思いやることは自然なことだろう。
ただ、このチームには三浦が信頼するラモス、柱谷、都並、ゴンら多くの仲間がいた。
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