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森保ジャパン、初の完封負け。現在の課題はどこにあるのか? (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 実際、攻撃のスイッチ役の柴崎が前半に見せた縦パスはわずか3本。もうひとりのボランチ山口に至っては0本だった。

 また、アジアカップではボランチの縦パスが封じられたときはセンターバックからのロングフィードで活路を見出したが、この試合では冨安が前半に鈴木へのロングフィードを1本、昌子が前後半1本ずつサイドへのロングフィードを出したのみ。むしろこの試合で日本が見せた打開策は、サイドからのクロスだった。

 ただし、前半に7回、後半に8回試みたクロスにしても、タイミングと精度に課題は残った。しかもコロンビアの中央の守備には高さもあっただけに、グラウンダーなど球質の部分で工夫が必要だったと言える。

 その点で言うと、分析されたときの攻撃面の打開策という森保ジャパンの課題については、解決方法は持ち越しになったと言わざるを得ない。また、鈴木と南野による2トップのコンビネーションがほとんど見られなかったことも、このシステムを採用したときの攻撃面の課題として加えておくべきだろう。

 また、大迫が欠場したときの代役という課題も、解決策を見出せずに終わった。唯一、この試合で鈴木がボールを収めて攻撃の起点となったのは、GK東口のロングキックを堂安に落とし、最後に南野がミドルを狙った前半10分のシーン。また、最大の決定機となった37分には、中島のクロスを鈴木が頭で合わせるも、枠をとらえることができずにビッグチャンスを逃してしまった。

 ちなみにこのシーンは、南野のプレスバックによってハメス・ロドリゲスからボールを即時回収してから作ったチャンスだっただけに、ゴールが決まっていればこの試合のベストシーンとなったことは間違いない。

 一方、後半は森保監督のベンチワーク、戦術オプションの欠如、そして選手の対応力という課題がまたしても露呈してしまった。

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