森保ジャパン、初の完封負け。現在の課題はどこにあるのか? (3ページ目)
そういう点では、チームのマンネリ化を回避しながら、新戦力の台頭を促せる現在の環境は決して悪いことばかりではない。むしろ、歓迎すべき状況とも言える。
そして、そのような狙いを持って臨んだコロンビア戦のスタメンは、冨安、柴崎岳(ヘタフェ)、堂安律(フローニンゲン)、南野拓実(ザルツブルク)というアジアカップAチームの4人、東口順昭(ガンバ大阪)、室屋成(FC東京)、佐々木翔(サンフレッチェ広島)のBチーム3人、同大会を負傷欠場した中島翔哉(アル・ドゥハイル)に、森保ジャパン初招集の昌子源(トゥールーズ)と山口蛍(ヴィッセル神戸)、そして代表初招集の鈴木武蔵(コンサドーレ札幌)の11人だった。
システムは、通常の4-2-3-1というよりも、鈴木と南野を並列にした4-4-2の形をとった。基本的にこれまでの森保ジャパンは攻撃時が4-2-3-1で、守備時は4-4-2になるため、前後半ともにボールを握られたこの試合の展開によってそのかたちを強いられたと見ることもできる。
ただ、南野が鈴木との段差を作ってボールを受けるシーンがほとんどなかったことからすると、コロンビアの実力を考慮したうえで、敢えて守備を重視した2トップを採用した可能性は高い。もちろん、鈴木のプレースタイルが大迫のそれとは異なっている点も、4-4-2を基本とした理由と見ることもできる。
そんななか、前半は36.2%(日本)対63.8%(コロンビア)とボールを支配されながらも、日本はほぼ狙いどおりの守備ができていたと言える。与えた決定機は、立ち上がり4分のセバスティアン・ビジャ(ボカ・ジュニオルス)のシュートがバーを叩いたシーンのみ。このシーンでは、縦パスを受けたファルカオがフリック気味のパスで巧みに昌子のプレスを外し、中央でフリーになっていたハメス・ロドリゲスからの展開で日本の右サイドを破られている。
そのときの柴崎のポジショニングに問題はあったが、立ち上がり早々の時間帯だったため、逆にそのピンチがその後の日本の守備を微修正させたとも言える。少なくとも、その後のコロンビアは攻撃の糸口を見出すことができずにいた。
もっとも、カルロス・ケイロス監督のコメントにもあったように、前半のコロンビアの狙いが日本の縦パスを封じることにあったとすれば、コロンビアにとっても狙いどおりの前半だったと見ることもできる。
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