森保ジャパン、初の完封負け。現在の課題はどこにあるのか? (2ページ目)
いずれにしても、それらのポイントからコロンビア戦をレビューすると、たしかに日本は善戦したものの、多くの課題が残されたままに終わったと言っていい。
「我々は日本を分析し、彼らの特徴もわかっていた。テーマとして、縦パスを簡単に通させないようにした。後半は、日本のフラストレーションが溜まったタイミングで、我々が(相手の)裏のスペースを使って攻撃的にできた。簡単に言うと、前半は日本に仕事をさせない、後半は日本が疲れてきた時に攻撃に出た、ということ」
試合後、そのように振り返ったのはコロンビアのカルロス・ケイロス新監督だ。もちろん会見上のコメントゆえ、すべてが本心とは思えないが、実際にこの試合で起こった現象からすると、正鵠を得た総括と受け止めていいだろう。
そもそもカルロス・ケイロス監督はアジアカップでイラン代表を率いていた人物で、同大会準決勝では、自滅する格好で日本に完敗を喫した苦い経験がある。当然ながら、その対戦時から日本対策は織り込み済みだ。しかもこの試合は、コロンビアの監督として臨んだ最初の試合。アジアカップのリベンジに、初陣で白星スタートを切りたいというモチベーションが加わったため、典型的な親善試合とは少し違った展開となった。
そのコロンビアはこの試合で4-2-3-1を採用し、1トップにファルカオ、トップ下にハメス・ロドリゲス(バイエルン)というビッグネームを配置。GKダビド・オスピナ(ナポリ)、右SBサンティアゴ・アリアス(アトレティコ・マドリード)、MFファン・フェルナンド・キンテーロ(リーベル・プレート)といった主力が負傷欠場し、MFカルロス・サンチェス(ウエストハム)とFWフアン・クアドラード(ユベントス)も負傷により長期離脱中だったものの、それ以外はほぼベストメンバーを揃えた格好だ。
対する森保監督は、招集メンバーの部分で悩みを抱えていた。
6月のコパ・アメリカは招待国として参加するために拘束力がなく、ヨーロッパでプレーする何人かの主力を招集できない可能性が高い。そのため、それを想定して今回の親善試合では、長友佑都(ガラタサライ)、吉田麻也(サウサンプトン)、酒井宏樹(マルセイユ)、原口元気(ハノーファー)、遠藤航(シント・トロイデン)、伊東純也(ゲンク)、大迫勇也(ブレーメン)、武藤嘉紀(ニューカッスル)といったアジアカップ時のヨーロッパ組を招集外としている。
つまり、3月と6月の計4試合を含め、6月のコパ・アメリカまでは戦術の浸透を図りつつ、秋から始まるW杯アジア予選に向け、大迫の代役を含めた新戦力の発掘という明確な目的が加わった格好だ。アジアカップのAチームを一旦解散し、おそらく今後は6月のコパ・アメリカまでに戦力の底上げを図ったうえでW杯予選本番に挑むことになる。
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