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森保J「出たとこ勝負」攻撃の限界。
コロンビアとの差は埋まってない (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 日本の攻撃が小粒なのに対し、コロンビアはダイナミック。攻撃にスケール感があった。繰り返すが原因は、体格差でも個人能力の差でもない。サッカーゲームの進め方にある。

 コロンビアが相手ということで、森保ジャパンと比較したくなるのはロシアW杯を戦った西野ジャパンになる。そのサッカーは、森保ジャパンというよりコロンビアに近かった。展開美に優れたサッカーだった。即興的と言うより計画的。セネガル、ポーランド、ベルギーに対して善戦できた理由でもある。

 西野ジャパンと森保ジャパンは、ともに監督が日本人なので、"日本的サッカー"として括られるかもしれないが、それぞれの中身には大きな違いがある。

 計画性が不足していることは、堂安、中島の両ウイングと両サイドバックとの関係にも表れている。彼らには、室屋成(右/FC東京)、佐々木翔(左/サンフレッチェ広島)と意図的にコンビネーションプレーに及ぶ機会がほとんどなかったのだ。

 両者が両サイドで絡めば、攻撃に立体感が生まれる。その4人が四角形を形成すれば、そこをベースにパスコースが誕生する。コロンビアのサッカーがまさにそれだった。

 西野ジャパンでコンビネーションが冴えたのは、左サイドの乾貴士(アラベス)と長友佑都(ガラタサライ)だった。中島のプレーのレベルは確かに高い。3人組の中でも一番と言いたくなるが、後方の佐々木に、長友が乾に行なったような連携作業は期待薄だ。よってサイド攻撃は単調になる。出たとこ勝負。計画性に乏しいプレーになる。

 堂安もしかり。何をするのか、味方でさえよくわからない即興的なプレーをする。魅力的と言えば魅力的だが、これが連続すると、プレーの調和は難しくなる。日本がやろうとしているサッカーはシンプルではなかった。コロンビアに比べて遙かに難易度が高そうに見えた。

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