ベストゲームを見せた「控え組」。この結果を森保監督はどう生かすか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 まずはチームの一員として、2連勝できているいい流れを止めたくない。彼らにそんな気持ちは、当然あっただろうが、それと同時に、ここで下手な試合をすれば、控え組という自分たちの立場を一層強めることになりかねない。そんな危機感も相当に強かったはずだ。DF室屋成(FC東京)が語る。

「負けるわけにはいかなかった。メンバーが変わったなかで、絶対に勝ってやると思っていた」

 その結果が、グループリーグのベストゲームと言うべき試合である。

 とはいえ、この試合を単体で評価することには、あまり意味がない。

 すでに決勝トーナメント進出が決まっており、選手に大きなプレッシャーがかからなかったこと。そして、明らかに力が劣るトルクメニスタンやオマーンに比べると、"普通に"戦ってくれるウズベキスタンは、日本にとって戦いやすい相手だったこと。この試合に、そうした側面があったのは事実だ。

 冴えない主力組と、がんばった控え組。そんな色分けは、フェアな見方とは言えないし、意味もない。

 重要なのは、今大会で優勝するために7試合を戦うなかで、この試合にどんな役割を持たせられるのか、だ。ただ単に、「主力組を1試合休ませられた」だけで終わってしまえば、あまりにもったいない。

 そこで注目すべきは、今後の選手起用。この試合をきっかけに、主力組と控え組の垣根が取り払われ、選手を入れ替えながら、決勝までの4試合を戦っていけるか否か、である。

 もちろん、メンバーを固定していけば、チームとしての成熟は早く、一定の結果を出すには手っ取り早いだろう。実際、ウズベキスタン戦にしても、必ずしも全部が全部、いい内容の試合だったわけではない。拙(つたな)い守備の対応でピンチを招くこともあったし、味方との連係を意識しすぎてチャンスをフイにすることもあった。

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