森保監督の志向を代表に呼ばれなくなった選手の顔ぶれから読み解く

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Fujita Masato

鈴木優磨山中亮輔が代表に初選出!」

 ベネズエラ戦(11月16日)、キルギス戦(11月20日)を戦う日本代表のメンバー発表が行なわれ、恒例のように、初めて選出された鈴木(鹿島アントラーズ)と山中(横浜F・マリノス)の名前が、見出しをさらうことになった。

 しかし現状では、両選手がどこまで戦力になるかは未知数。おめでたい話ではあるけれど、今回の選考で一番重要なニュースだとは思わない。入る選手がいれば、出ていく選手がいる。これが代表チームの性(さが)だ。これから起きるかもしれない話をするよりも、起きた話をしたほうが、森保ジャパンの実像は浮きぼりになる。

就任以来3回目の代表招集で、その志向が見えてきた森保一監督就任以来3回目の代表招集で、その志向が見えてきた森保一監督 森保監督が行なったメンバー選考は、コスタリカ戦(9月)、パナマ戦・ウルグアイ戦(10月)に次いでこれが3度目になる。招集され続けている選手もいれば、招集されなくなった選手もいる。

 さらに、2018年ロシアW杯を戦った西野ジャパンと比較することで、森保監督の志向は一段と鮮明になる。

 今回招集されなかった選手で、来年1月に行なわれるアジアカップのメンバーに入る可能性を残しているのは、現在、ケガ等でコンディションを落としている選手ぐらいだろう。数的には決して多くない。つまり、森保監督は今回、「あるひとつの結論」を下したといっても過言ではない。

 就任当初から当たり障りのない答弁に終始してきた森保監督。優しそうな表情で、刺激的とは言えない言葉を並べてきたが、いつの間にかメンバーは大きく一新されていた。大ナタは振るわれていたという感じだ。

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