タレント揃いのU-19日本代表、世界へ。黄金世代を超える「期待度」 (3ページ目)
そして、迎えた40分。左サイドバックのDF東俊希(サンフレッチェ広島ユース)が、右サイドからつながれてきたパスを受けると、左足で強烈なミドルシュートを叩き込んだ。こう着状態を打ち破る、「自分でもビックリした」というスーパーゴールだった。
しかし、後半に入ると一転、インドネシアが積極的に前へ出てきたことで、日本は守勢に回る時間が長くなった。殊勲の左サイドバックは喜びも控えめに、反省の弁を口にする。
「(インドネシアは)事前の分析でも、ドリブルでどんどん仕掛けてくるとわかっていたが、後半は自分のサイドでピンチが多かった」
それでも日本の守備は、最後まで破綻することがなかった。安部が振り返る。
「ハーフタイムにみんなで話していたのは、こういうゲームは我慢勝負になるので、我慢して、集中して、スキがあったら得点を狙うが、最悪1-0でもいい、ということ。1-0の状況が長く続いたが、変な雰囲気にもならなかった」
影山雅永監督が「リスク管理は我々のひとつの課題だった」と語るように、日本はグループリーグの第1、2戦、いずれもリードしたあとに守備が甘くなって失点を喫していた。だが、この試合では最後まで気を緩めず、インドネシアの攻撃を防ぎ続けた。
象徴的なのは、後半62分のシーンだ。
この試合、再三キレのいいドリブル突破を見せていたインドネシアの15番、サディル・ラムダニが右サイド(日本の左サイド)を突破。ゴール前には1トップの19番、ハニス・サガラ・プトラが走り込んでおり、クロスのコースも開いていた。
ついに同点か。そう思われた瞬間、ボランチの位置からカバーに戻ったMF伊藤洋輝(ジュビロ磐田)が、ギリギリのところでクロスをカットした。伊藤が語る。
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