U-19日本代表、世界へ王手。
不安はあまりに「強すぎる」ことだけ (5ページ目)
幸いなことに、グループリーグ3試合の失点数が2、1、0と、順に減っていることが示すように、リードしたあとのゲームコントロールやリスク管理という点では、試合ごとに進歩が見える。
イラク戦では、相手にボールを持たれる時間帯もそれなりにあったが、しっかりと守備ブロックを作り、最後までスキを見せなかった。後半は徹底した放り込みに手を焼くこともあったが、フォーメーションを4-4-2から3-4-3へ変更することで、はね返し続けた。1、2戦目で露呈した不安要素は、多少なりとも減少している。齊藤が語る。
「そういう(強引な攻撃でピンチを迎える)ことが、限りなくゼロに近くなるのがいいが、それが起きたとき、全員で体を張って守ることのほうが大事だと思う。初戦より2戦目、2戦目より3戦目と、そこはよくなってきている」
この大会の準々決勝は、日本が過去5大会で4度も敗れている、いわば"鬼門"。それだけに、些末(さまつ)な不安要素すらも気になってしまうのだが、その一方で、日本の際立つ強さは、最近のこの大会では見られなかったものであることも確かである。
試合前の心配も、重箱の隅を楊枝(ようじ)でほじくるような話であり、終わってみれば、単なる取り越し苦労だった――。そんな結末を期待している。
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