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スペインの慧眼が森保采配を分析。
「戦術的にポジティブ」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sueishi Naoyoshi

「サイドの伊東と原口は、献身的に守る場面もあったが、同時に攻撃も考えたポジションを取っており、そのスピードとスキルでカウンターの脅威になっていた。南野も守りの仕事を献身的にする一方、ラインの間を積極的に行き来し、スペースを作り、攻撃の動きを出していた。

 また、冨安、青山といった選手たちは集中して守っていた。守備のキャラクターを感じさせる選手と言える。ラインの距離感を常に考え、次のプレーを予測し、強度の高さを保ち、乱れも少なかった」

 エチャリは各選手に評価を与えてから、采配に言及した。

「森保(一)監督は、日本人選手のストロングポイントであるスピードとスキルの高さを、十分にチームプレーの中に落とし込んでいた。攻守両面で常に準備する。そのプレーコンセプトが戦術面で感じられ、ポジティブな内容だったと総括できる。

 昨今はトランジション(攻守の切り替え)が重要視されるが、単なる"切り替え"では間に合わない。攻撃しているときには守備を、守備をしているときには攻撃を考え、そのポジション的優位が必要なのだ。カウンターに入ったときの選手のポジションを見ればわかるように、日本はこのバランスが優れていた」

 そしてエチャリは最後にウルグアイ戦に向けてひと言、こう付け加えている。

「チーム全体としても、リトリート(引いて陣形を整える)は迅速で規律正しく、相手に隙を与えなかった。パナマ戦の出来は及第点と言えるだろう。チームとしても、個人としてもすばらしかった。ただし、相手のプレー強度・技術が高かったとは言えない。

 たとえばウルグアイのような強豪とプレーしたとき、この強度を保ち続けられるか。それは今の森保ジャパンを見極めるのにいい機会になるだろう」

ミケル・エチャリのウルグアイ戦レポートを読む>>

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