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スペインの慧眼が森保采配を分析。
「戦術的にポジティブ」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sueishi Naoyoshi

「日本はボールを持っていないときも、持っているときもポジションがよく、常に次の準備ができていた。先制点は象徴的だろう」とエチャリは言う。

「冨安の強いチャージでポストに入ったボールを下げさせ、右サイドの選手のパスコースを一瞬にして塞ぐ。そこでパナマが苦し紛れの縦パスを入れた瞬間、青山(敏弘)は鋭い反応でインターセプトに成功。すかさず、前線でセンターバックの間に入った南野の足もとへパスを送った。

 南野は前を向いて右足でトラップすると、追いすがるディフェンダーに対して体を入れてブロック、もうひとりのディフェンダーにはフェイントでタイミングをずらして飛び込ませず、左へ流れながらGKの脇を破る高い精度のシュートを決めている。チームとして挙げた、そして個人が挙げたゴールだった」

 後半62分に日本は追加点を挙げる。原口元気がゴール前でどうにかボールをキープし、受けたパスを伊東がエリア内に走り込んだ南野へ流す。南野は左へ流れ、角度のないところからシュートまで持ち込む。そしてGKが弾いたボールを、伊東がゴールに蹴り込んだ。

 さらに85分には、敵DFの縦パスを三竿がカットし、そのパスを受けた原口が再びドリブルで敵陣を進む。エリア内にフリーで走り込む川又堅碁に完璧なラストパス。ディフェンスと交錯するなかでオウンゴールが決まり、だめ押し点になった。

「攻撃面ではパワーが目立ったが、チームとしてうまくいった理由は、攻守一体でいつもいい準備(ポジション取り)ができていたからだろう」

 エチャリはそう言って、こう続けた。

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