自信につながるウルグアイ戦。森保ジャパンの戦術と工夫を解剖する (3ページ目)
そんななか、注目された日本の攻撃面では、前回パナマ戦のような両ウイングのポジショニングはほとんど見られなかった。出入りの激しい互角の試合展開だったので当然ではあるが、その一方で、対格上チーム(対ウルグアイ)を意識したのか、過去2試合にはなかった"工夫"も見受けられた。
この試合の日本のシステムは、パナマ戦と同じ4-2-3-1。4バックの相手がボールを保持する時に、南野と大迫が並列になって4-4-2の陣形をとることも変わっていない。ただし、頻繁ではないものの、マイボール時には特徴的な陣形になることがあった。
右サイドバックの酒井宏樹(マルセイユ)がライン際で高い位置をとり、残る最終ライン3人が右にスライドし、3バックを形成する。右ウイングの堂安律(フローニンゲン)は相手のセンターバックとサイドバックの中間ポジションをとり、大迫が最前線中央に、南野が左サイドにスライド。中島は左サイドに張ったまま、やや後方に構えた。
つまりその時の森保ジャパンの陣形は、3-4-2-1。パナマ戦ではボランチ1枚(主に青山敏弘/サンフレッチェ広島)がセンターバックの間に落ちて3バックを形成したうえで、両サイドバックが高いポジションをとり、さらに両ウイングがそれぞれ中間ポジションをとることで陣形を3-4-2-1に可変させたが、このウルグアイ戦では左サイドバックの長友佑都(ガラタサライ)がそのために高いポジションをとることはなく、あくまでも右サイドバックの酒井の位置取りによって、つるべ式の可変システムを形成していた。
前半33分、それが効果を発揮した象徴的なシーンがあった。右センターバックの三浦弦太(ガンバ大阪)のフィードを右サイド高い位置で張っていた酒井が受けると、左斜め前方にパス。そのパスコースには中間ポジションをとっていた堂安と、その背後に大迫が構えていた。それをわかっていた堂安は酒井からのパスをスルーし、相手DF陣が堂安につられたことで、パスを受けた大迫は容易にシュートに持ち込むことができた。
残念ながらそのシュートはバーの上を大きく越えてしまったが、それは3-4-2-1的な攻撃パターンのひとつだった。
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