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自信につながるウルグアイ戦。森保ジャパンの戦術と工夫を解剖する (5ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 お互いの距離を短くとりつつ、ボールを奪われたらその瞬間に近くにいる選手がすばやくボールホルダーにプレッシャーをかけ、次の選手もルーズボールを狙って寄せていくスタイルだ。奪われたらすぐに奪い返す。これが守備コンセプトの柱となっている。

 たとえば後半66分に南野が日本の4点目を決めたシーンも、堂安のクロスをGKがキャッチした後、ウルグアイが低い位置からビルドアップを始めようとしたところを近くにいた柴崎岳(ヘタフェ)がボールホルダーのトレイラにアタックし、ボールを奪い返したところから始まっている。

 また、お互いの距離を短くとり続けるためにはチーム全体がコンパクトさを保つことが必要になるが、それができていれば相手ボール時にボールホルダーを囲みやすくもなる。前半22分、ボールを受けたラクサールに対して、外から堂安、背後から南野、後方から遠藤航(シント・トロイデン)の3人で囲み、一気に南野がボールを回収したシーンはその典型例だ。

 もちろん、これらを実行するためには各選手のハードワークと的確な判断力が必要になる。もし最初のプレスをかわされてしまえば、フィールドのあちらこちらにスペースが生まれた状態で相手の速い攻撃を受け止めなければならないからだ。ボールを奪う位置はおおよそハーフライン付近に設定されているものの、ショートカウンターを受けるリスクを常に背負ったタフな守備方法であることは間違いない。

 この試合で、日本が失点以外の場面で危険なシーンを作られたのは、前半25分、後半75分と、主に2度あった。いずれも中盤でボールを奪われた後のショートカウンターだ。どちらも失点を許すことなく、何とかしのいだという点で言えば、最終ラインのカウンター対策も及第点だったという評価もできるかもしれない。

 しかしその一方で、ロシアW杯の時のウルグアイのように研ぎ澄まされたチーム状態であれば、失点していた可能性は十分にあると見るべきだろう。

 ともあれ、試合後のインタビューで森保監督が「アジアカップはまた別の戦い方になる」と語ったように、このウルグアイ戦のような戦い方はしばらく棚上げすることになりそうだ。アジアには、対日本戦でアグレッシブに攻撃をしかけてくるチームは限られているため、今後はパナマ戦のような戦い方を切磋琢磨する必要があるからだ。

 おそらく、11月のベネズエラ戦はベストメンバーによってアジアカップ用の戦い方を最終チェックすることになるだろう。また、キルギス戦ではオプションとしての3-4-2-1を試す可能性も残されている。

 いずれにしても、アジアカップ前の残り2試合でどんな修正を見せるのか。11月の2連戦で、森保ジャパンのはっきりとした骨格が浮かび上がってくるはずだ。

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