チーム立ち上げの真っ当さを示す、
森保JのW杯組への依存度の低さ (2ページ目)
まず、新チーム初戦となった9月のコスタリカ戦では、ロシア組の主力を一切招集せず、"若手海外組"を中心に起用。今回は、ロシア組の主力も招集メンバーに加えたが、だからといって、すぐにパナマ戦でまとめて起用することなく、コスタリカ戦でのメンバーとの融合を図るように、少しずつロシア組を加えていく。ロシア組と若手海外組の両方を、うまく競わせながらひとつのチームにしようとしている印象だ。
ロシア組のひとり、DF長友佑都が語る。
「コスタリカ戦では、若い選手が"また違った代表"を見せてくれた。彼らはギラギラした、何の恐れもないプレーをしていて、僕も原点に帰れたような気がした。危機感もすごく感じている。経験を伝えるだけでなく、若い選手とともに新しい日本代表を創造していきたい」
幅広い選手の選出、起用は、もちろん、Jリーグでプレーする"国内組"もその対象だ。J1で好調のFW北川航也が初招集ながら、招集初戦のパナマ戦でいきなり起用されるあたり、森保監督の姿勢がはっきりと表れている。
ともすれば近年は、選手選考においては海外組偏重の傾向が強く、選手起用においては、呼ばれても使われない選手が数多いといった"悪しき慣習"が目立っていただけに、本来なら当たり前の現状も、新鮮なものに映る。
森保監督の姿勢は、はっきりと数字で表すこともできる。
W杯後の初戦となったコスタリカ戦の先発メンバーを、W杯当時の主力選手、同控え選手、それ以外の選手の3つに分類すると、内訳は主力0人、控え3人、それ以外8人。そして、2戦目となる今回のパナマ戦が、主力2人、控え1人、それ以外8人である。
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