福田正博は森保流マネジメントを高評価。
「初戦で驚きの完成度」 (2ページ目)
アグレッシブにゴールに向かうプレーを見せた若い選手たちのうち、堂安律は1、2年後には日本代表の中心になっている逸材であることを示してくれた。
コスタリカ戦の前半はボールになかなか絡めなかったが、後半からはボールを引き出し、シュートこそ決まらなかったが、自分らしさを随所に発揮していた。まだ20歳だが、体もできているし、技術も高く、左足でのボールコントロールも抜群だ。昨季はオランダで結果を残し、W杯ロシア大会のメンバーに選ばれていても不思議ではないほどだった。今後、さらに成長を遂げてくれるはずで、彼の成長が日本代表の成長にもつながると思えるほどの存在感があった。
トップ下で起用された南野は、彼の持つ創造性や技術力を発揮していた。彼の持ち味は、攻撃を組み立てるというよりは、ゴール前に飛び出していくプレーにあるが、迫力を持ってゴールに向かう姿勢が出ていたのは評価したい。
中島は、プレーが少しずつ洗練されてきている印象だ。プレーがシンプルになって、相手にとってより怖い選手へと変貌しつつあると感じさせてくれた。体力を相手ゴール前のより近くで使えるようになっているし、守備では相手のパスコースを切っていくうまさが備わり、プレーのはしばしに成長の跡が見て取れた。
中島の主戦場である左サイドは、W杯ロシアのメンバーだった原口元気(ハノーファー)、乾貴士(ベティス)、宇佐美貴史(デュッセルドルフ)らがいて、南野も得意にしている。このポジションは、彼らが切磋琢磨していくことで、日本代表のストロングポイントになっていくはずだ。
そして、相手ゴールに向かうプレーを見せた堂安、南野、中島らのプレーを引き出したのは、青山だった。ボールの散らし、縦パスやDFの裏を狙うパスはすばらしく、彼のつくり出すリズムとテンポ、ゲームをコントロールする力は際立っていた。
青山は森保監督が自分を招集した意図を理解し、若い選手たちが自分のプレーに集中できるように、チームのど真ん中で落ち着きをもたらしていた。4年後を見据えると、32歳の青山が代表の中心にいる光景は想像しにくい。しかし、そこに向かう日本代表にとっては、彼が広島時代の森保監督のもとで培ってきた経験則が、"森保サッカー"をやるために必要不可欠なものであり、若い選手にとってのガイドラインともいうべきものだ。
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