福田正博は森保流マネジメントを高評価。「初戦で驚きの完成度」
森保一監督が率いる新生・日本代表は、初陣のコスタリカ戦に3--0で勝利した。溌剌としていて新鮮味があったうえに、初戦だというのに、何年も一緒にやってきたかのような一体感と完成度がチームにあって、おおいに驚かされた。
コスタリカ代表に3-0で勝利した日本代表 これまでの日本代表を振り返ると、新監督が就任した最初の試合は、攻撃でノッキングが起きたり、タイミングが合わないシーンが目立ったりすることもあった。それは、日本人の特性や、日本サッカーの流れをまだ熟知していない外国人監督が自身の戦術を落とし込もうとして、選手がそれを生真面目に実行しすぎることが原因にあった。
日本人選手はコンセプトを徹底されると、それを徹底しすぎて柔軟性を失う傾向がある――。そのことをわかっている森保監督は、攻守両面での組織としてのコンセプトは伝えつつも、選手が個々の能力を出しやすい柔軟性のある環境をつくりあげた。だからこそ、組織として戦いながら、選手がドリブルなどの個性やストロングポイントを発揮するシーンも見られた。
今回、前線に配置された中島翔哉(ポルティモネンセ)、南野拓実(ザルツブルグ)や、守備的MFに起用された遠藤航(シント・トロイデン)、右SBの室屋成(FC東京)といった選手たちがとくに躍動した。途中出場した浅野拓磨(ハノーファー)も含めたこの世代は、リオ五輪で一緒にプレーしてきたことによる連携があったのは言うまでもない。
彼らや堂安律(フローニンゲン)といった若い選手たちが伸び伸びとプレーできたのは、森保監督のチームマネジメントがあればこそ。森保監督は若手だけを起用するのではなく、センターラインに経験のある選手たちを置いた。1トップに30歳の小林悠(川崎フロンターレ)、セントラルMFに32歳の青山敏弘(サンフレッチェ広島)、CBに31歳の槙野智章(浦和レッズ)、GKに32歳の東口順昭(ガンバ大坂)。チームの中心線を担ったベテランが、攻守でバランスを取りながら、若い選手たちが自由にプレーできる環境をつくったのだ。
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