なでしこ、北朝鮮撃破で手応え。
アジア大会優勝まで駆け上がれ (3ページ目)
だが、組織力を誇る北朝鮮も中国戦から立て直し、日本をしのぐコンパクトさを徹底してきた。互いにスペースを生じさせない状況に攻撃陣は苦労したが、それでも日本はポゼッションの優位を譲らず、北朝鮮はカウンター狙いに絞るしかなかった。守備を狙い通りにハメることができず、後半にはかなり攻め込まれたが、阪口萌乃(アルビレックス新潟)が与えてしまったPKの1点に抑えて逃げ切ったことは大きい。
「ポジショニングで(次の韓国戦)は修正できると思います。バランスが一個ずつズレていた」と修正の可能性を口にしたのは鮫島彩(INAC神戸)だ。彼女は、前回北朝鮮と対戦した昨年のE-1選手権の映像を何度も見直したという。鮫島が本格的にCBを任された初めての大会だったが、慣れないポジションで右往左往しながら戦い、完敗していた(0-2)。同じ轍は踏まない。この日は、相手に合わせるのではなく、自ら意図を持って最終ラインをコントロールした。
「E-1のときよりはコンパクトにできた。少しは修正できたと思います」(鮫島)
守備陣もメンバーを少しずつ入れ替えながら、課題をクリアして一歩ずつ成長している。
攻撃では、岩渕、長谷川という決めるべき選手が、取り組んできた形でゴールを生み、練りに練って修正をかけてきた守備でしのぎ切った。国内組で北朝鮮を倒したことで、初めてこの2年の成長を多少なりとも実感したはずだ。ここから2勝でアジアの頂点を目指す。そこに立ったとき、ようやく"自信"を手にするのかもしれない。
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