日本を「弱い」と言った香川真司
「だからこそ、チームワークが強み」
ベルギー戦に敗れた直後のミックスゾーンに、香川真司は、穏やかな清々しい表情で現れた。試合終了直後のピッチでは涙を見せていたが、「報道陣の前なので(泣かない)」と冗談めかした。だいぶ落ち着いたのだろう。香川の見た目は、嘘をつかない。
ベルギー戦のタイムアップと同時にピッチに座り込んだ香川真司 香川は淡々と、ロシアW杯の総括を始めた。
「普通に考えて、2カ月前に監督が解任になる、ましてや僕らみたいに弱いチームが今まで築き上げてきたものがゼロになるというなかで、チームがひとつになるというのは本当に難しいことでした。だけど、年齢が上の選手を含めて、みんながチームのために日々を送っていましたし、だからこそこの結果が生まれたと思う。そういうチームワークが、あらためて僕たちの強みだと感じますし、そこは本当に誇りになります」
香川は自分たちを「弱いチーム」と言い切った。
ベルギー戦で悔いが残ったのは、試合運びだった。香川は以前、「2-0は怖いスコアだと日本で教わるし、その感覚は(ドルトムントのようなチームでも)常識」と、教えてくれたことがある。だが、現実に2-0の恐怖をモロに味わうと、「逆転されてしまったのは自分たちの弱さだ」と振り返った。
「結果論なので、あとではなんとでも言えちゃうんですけど、やはり、2-0になったときに、そういう試合のリズムを、読み取る力がなかった。そういう経験は、本当に厳しいところでやらないとわからないし、2点差というのは、海外だったら確実にゲームを終わらせられる状況なので、僕たちはまだまだ経験が足りなかったのかな、と。チームとしてそれはいい経験になったけど、だからこそ勝ちたかったですね」
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