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困ったときに呼ばれる今野泰幸。
ロシアW杯に34歳の居場所はあるか (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 もちろん、既存のメンバーのなかに組み込まれてこそ競争原理が働くわけであり、別のチームで稼働した今大会だけで評価を下すのは意味を持たないだろう。それでも、序列を覆すような個の台頭を感じられなかったのは、やはり物足りなさを否めず、結果も、新戦力の発掘も実現できなかった今大会は、日本にとって小さくない損失だった。

 そんななかで数少ない希望を見出すとすれば、MF今野泰幸(ガンバ大阪)の存在だったかもしれない。代表キャップ90超えの、2度のワールドカップに出場した34歳のベテランプレーヤーを、新戦力と呼ぶにはあまりに失礼だろう。それでも、ハリルホジッチ体制下での出場機会が少ない今野は、既存のメンバーに刺激を与える存在に十分になり得るはずだ。

 今大会の今野は、初戦の北朝鮮戦でMF井手口陽介(ガンバ大阪)の決勝ゴールをアシストし、中国戦でもアンカーの位置でバランスを整えながらも、機を見た攻め上がりで攻撃に厚みを生むなど、攻守に躍動した。

 韓国戦では他の選手同様に及第点を与えられるプレーは示せなかったが、押し込まれる展開のなかで広範囲をカバーし、低い位置から起点になろうと懸命にゲームメイクを試みた。終盤の川又の決定機を生み出したのも、今野のサイドチェンジがきっかけとなっており、アピール要素も少なくなかった。

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