ヨルダン戦で2ゴール。なでしこ岩渕真奈はもうスーパーサブじゃない (3ページ目)
最終スコア2-0のこの試合で2ゴールを挙げた岩渕――。ゴール後、喜びを爆発させる風でもなかった岩渕の表情は、これらのゴールは"当然"のこととすべき相手だという彼女の意識を物語っていた。とはいえ、ゴールを生んだ確かな技術と戦術能力の高さに加え、触れずとも、地道なプレスや、ボールに触るため運動量が増えることを承知で位置を落とすプレーを見せた上でのゴールであったことの方は意味深い。
そしてもうひとつ、後半の岩渕にも大きな変化を感じた。56分、右サイドに流れた岩渕が相手を振り切りグラウンダーのパスをゴール前へ送ると、そこへ走り込んだのは後半からトップに入った上野真実(愛媛FC)だった。完璧なタイミングながら、決めることはできなかったが、この直後、岩渕は上野に言葉をかける。
「この試合中に絶対に点を取ろう!自分で(シュートを)打っていいから」
そこから岩渕は周りを"活かす"プレー、すなわち"点を取らせる"プレーに重きを置くようになる。
「私は今までさんざん先輩から"活かして"もらってきた。それを自分がするときが来たんだと思う」(岩渕)
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