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「ハリルホジッチは日本の監督に向かない」
ことが再確認できた2試合 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 だが、そんな演説直後の2試合で、図らずもポゼッション率が高まった結果、攻撃は機能不全に陥った。いかにもタイミングが悪かった。ポゼッション率が高ければ、勝てるわけではないのは事実だとしても、結果としてポゼッション率が高くなったときにどうするかの解決策が提示されないのであれば、"アンチ・ポゼッション"も説得力に欠けてしまう。

 統計上、ボールポゼッション率が低いほうが勝率は高いというデータもある。しかしその一方で、世界的な強豪は、それがクラブチームであれ、代表チームであれ、かなりの高水準でポゼッションサッカーができるのも事実だ。

 例えば、2014年W杯で優勝したドイツ。この大会でのドイツは、なるほどカウンター巧者だった。しかし、これはドイツがブラジル北部の高温地域での試合が多かったために講じた戦術であり、本来的に言えば、ドイツはカウンターのチームではない。

 その証拠に2年後の昨年、ユーロ2016でのドイツは大会随一のポゼッションを武器にしていた。つまりは、ポゼッションができてこそのカウンターなのである。

 もちろん、ポゼッションだけではダメ、なのは確かだろう。それは、同じくユーロ2016のドイツ(準決勝敗退)を見てもわかる。とはいえ、日本の場合は、まだ「それだけでは勝てない」という問題にぶつかるほど、ポゼッションを追求していないし、極めてもいない。

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