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「ハリルホジッチは日本の監督に向かない」
ことが再確認できた2試合 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 にもかかわらず、日本はW杯のたびに、あっちのサッカーを目指してみたり、こっちのサッカーを目指してみたりと、大局的な方向性が大きく振れてしまう。オプションを増やす以前に、確固たるベースさえ定まらないまま、今に至る、というのが現状だ。初めてW杯に出場してから、ほぼ20年が経過しているというのに、である。

 一見したところ、1対1の局面で激しく戦い、ボールを奪ったら縦に速く攻めるサッカーは、世界の潮流に乗ったもののように見える。だが、そもそもの土台となるサッカーがないから、崩れるときはあまりに脆(もろ)い。そんな実情を露呈する結果となったのが、今回のニュージーランド戦であり、ハイチ戦だったのではないだろうか。

 やはり、まずは日本人の肉体的、精神的特徴を生かした「日本らしいサッカー」の土台をしっかり作るべきだし、その土台とはチームとしての組織にフォーカスしたポゼッションサッカーであるべきだと思う。

 ボールポゼッション率を高め、相手を押し込み、できるだけ敵陣でゲームを進める。もちろん、きれいに崩し切ることは簡単ではないだろうが、ボールを奪われても人数をかけて押し込んでいれば、高い位置で奪い返す可能性を高められる。

 ポゼッションにおいて、重要なのはポジショニングだ。ボール扱いの技術ももちろんだが、うまい選手をそろえればできるわけではない。足を止めずに常に複数のパスコースを作るべく、ポジションを取り直す。これこそが、秩序ある集団としてプレーすることを得意とする、日本人が目指すべきスタイルだ。

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