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「ハリルホジッチは日本の監督に向かない」
ことが再確認できた2試合 (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「日本も独自のアイデンティティーを持たなければいけないが、モダンサッカーをベースにしないと。世界のサッカーの発展もしっかり把握し、日本も同じことをしなくてはいけない」

 ハリルホジッチ監督は冒頭に記した席上で、そうも話していた。だが、確かに世界のサッカーがどう変化しているのかは把握しておかなければいけないが、同じことをする必要はないのではないか。むしろ同じことをしている間は、絶対に追いつけない。

 日本らしさを捨て、他国との標準化を図った結果、どっちつかずで何もないチームになってしまった。それが、先の2試合から受ける印象だ。

 しかしながら、他人が何をしていようと、あるいは他人からどう思われようと、自分が「これ!」と決めたことを貫くことができないのも日本人の気質である。

 他人の目が気になり、自分だけが変わっていると思われたくない。まして結果が出なければ、ますます自分がやっていることに自信が持てなくなる。だから必然、行動は横並びになる。

 サッカー先進国の常識に倣(なら)わずにいられないのもまた、ある意味で日本人らしいサッカーなのかもしれないが。

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