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不安の残るシリア戦。あえて
ハリルJの「よかったこと」を探してみた (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 実際、最終予選に入って以降、日本代表が狙いどおりにゲームを進め、勝利を手にした試合というのは、守備に軸足を置いた戦い方が選択されている。大別すれば、リトリートしたオーストラリア戦(アウェー)と、プレスをかけたUAE戦(アウェー)という違いはあるが、どちらも相手のよさを消して、狙いどおりにボールを奪い、そこから攻撃につなげる戦略がうまくハマったものだ。

 おそらくハリルホジッチ監督は、次のイラク戦(アウェー)でも、3月のUAE戦と同じような狙いを持っているのだろう。

 指揮官は、すでにイラク戦の試合会場となるテヘランのスタジアムはピッチ状態が悪いとの情報を得ており、中盤でのボール争奪戦に備える準備があった。

 だからこそ、このシリア戦でもUAE戦と同じ4-3-3を採用し、右サイドハーフには、負傷から戦列復帰して間もないにもかかわらず、MF今野泰幸を置いた。森重が昌子に代わった以外、シリア戦の先発メンバーはUAE戦そのままである。

 ところが、日本は相手ボールを取り囲むように選手が集まり、距離を縮めていくのだが、「相手に寄せ切れず、中盤にたくさん人はいるのだが、5mくらい遠いところに立っていた」(ハリルホジッチ監督)。ボールを奪えないばかりか、中途半端なプレスをかいくぐられ、スピードに乗って攻めてこられる回数を増やした。

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