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「誰が出ても強い」ヤングなでしこ。
1位でU-20W杯の決勝T進出 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 カナダ戦でチャンスをつかんだのが、バックの宮川麻都(あさと/日テレ・ベレーザ)と、ハーフの水谷有希(筑波大)だ。水谷は自ら持ち込んで力強いシュートを放ったかと思えば、ゴール前で待つトップ陣へ配球も行なう。プレスをものともせず、攻撃の狼煙(のろし)を上げる筆頭となった。

 そして最も目を引いたのは宮川だろう。ドリブルで仕掛けていく水谷を追い越してのビルドアップはタイミングが難しいところだが、その歪みを一切感じさせることなくバランスを取りながら攻撃参加していく。このあたりはハーフ、バック両方をこなせる宮川ならではのプレーだった。

 また、前線まで上がってクロスを上げた次の瞬間には、カウンター狙いのサイドアタッカーをケアするために全力で最終ラインに戻って食らいつく、持ち前の粘り強い守備も発揮していた。

 彼女が今大会掲げている目標は「ゴールに絡むプレーをすること」。もちろん前半のビルドアップは効果的で、これまでの試合で左サイドに傾きかけていた攻撃の比重を右サイドに引き戻した。

 だが、宮川本人が目指していたプレーを本当に体現できたのは、体力も限界に近づく73分、杉田のゴールを引き出したアシストだった。宮川は右サイドを駆け上がると、一気にゴールエリア内まで切り込んで中へ折り返した。長谷川を飛ばして、杉田が合わせたゴールは、ギリギリまで切り込んでいった宮川のプレーなくしては生まれなかった。

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