「誰が出ても強い」ヤングなでしこ。1位でU-20W杯の決勝T進出 (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 今大会初出場となった宮川と、長谷川、杉田らが見せたコンビネーションプレーのように、誰が出場しても、瞬時に攻撃バリエーションが生まれるのがこのチームの強みだ。この試合で右サイドが活性化した前半と、左サイドが動き出した後半のように、左右両サイドを自在にハンドリングできるようになれば、またひとつ日本の攻撃に厚みが加わる。

 この試合は、勝利が義務づけられ、得失点も頭に入れながらの最終戦だったことに加え、自分たちの未熟さが露呈したスペイン戦で失いかけた自信を取り戻すには、内容を伴った勝利でなければならなかった。限られたスペースの中でボールを動かせば、相手に引っかかる確率も上がる。それを差し引いてもラストパスの精度はまだ不完全であり、ケアレスミスも多かった。

 しかし、それも十分に修正できる範囲内であり、厳しい状況での一戦であったことを考えれば、ここからの伸びしろと捉えたい。

 スペインがナイジェリアに負けたことで順位が入れ替わり、日本は当初のもくろみ通り1位通過で決勝トーナメント進出を決めた。いよいよここからは、負ければ終わるノックアウト方式。中3日で迎える準々決勝の相手はグループAを2位で通過したブラジルだ。暑さを回避できる19時30分キックオフという利点を生かし、大会中に進化した日本のプレーを見せてほしい。

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