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吉田麻也が「新しいサッカー」と語るハリルホジッチ流に未来はあるか

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

ハリルジャパンの完成度(2)
吉田麻也の判定=不明

 W杯アジア最終予選の第3戦、ホームで行なわれたイラク戦は、ロスタイムにMF山口蛍が劇的なゴールを決めて勝利(2-1)を得ることができた。

 だが、内容は? と言えば、多くの選手たちが「勝っただけの試合」と語るなど、チームが上向きになっている要素はほとんど見られなかった。

 9月から始まった最終予選は、「日本らしさ」や「日本のスタイル」が見えない中、不安定な試合が続いている。前回のブラジルW杯最終予選では、攻撃的なパスサッカーで危なげなく予選を突破した日本。その一員だったDF吉田麻也は、今のチームの現状をどう見ているのだろうか。

あらゆる面で危機感を抱いている吉田麻也あらゆる面で危機感を抱いている吉田麻也 イラク戦後、劇的な勝利を飾ったにもかかわらず、吉田の表情は非常に厳しかった。

「内容的には、改善すべき点がたくさんあります。セットプレーからの失点については、マイナス気味のクロスでマークにつくのが難しかったと思うし、別に誰かがマークを外したというわけでもないのですが......。う~ん......、基本的にはもっと(相手の)セットプレーの数を減らさないといけないと思っています」

 イラク戦で最も警戒していたのは、相手のセットプレーだった。あらゆるパターンをスカウティングで確認していたが、それでも失点した。その原因をつかめていないのでは、吉田が頭を抱えるのも無理はない。

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