最後は「恨み節」も。手倉森誠監督のオヤジギャグに隠された本音

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by JMPA

 手倉森ジャパン、2年半の活動の終焉は早々にやってきた。マナウスで2試合、サルバドールで1試合。最後のスウェーデン戦でようやく大会初勝利を挙げたものの1勝1分1敗の勝ち点4で敗退した。

 際立ったプレーや個性的な発言が少なく、チームとしての戦いに徹したのが、この五輪代表選手たちの特徴だった。だからこそ、チームの中心には良くも悪くも手倉森誠監督がおり、その存在感と言葉の強さが際立った。2得点のエース、浅野拓磨は、「緊張しているときは冗談混じりに緩め、緩んでいる時は引き締めてくれる」と、雰囲気作りの中心に指揮官がいたことを認めた。

スウェーデン戦で厳しい表情を見せる手倉森誠監督スウェーデン戦で厳しい表情を見せる手倉森誠監督 報道陣を前に、手倉森監督はオヤジギャク、ダジャレの類を繰り返した。

 初戦ナイジェリア戦の前日は、日本の前にコロンビアの監督の記者会見が行なわれていた。時間をおかずして行なわれた手倉森監督の会見では、「スウェーデン(実際はコロンビア)の監督のお尻が暖かかったのか椅子が暖かく、暖かい気持ちで会見ができました」と言って記者を笑わせた。またスウェーデン戦前日の会見では、試合開催地サルバドールにひっかけ「サラバドールにならないように」と話していた。英語に堪能な通訳も困り果てて、「日本語では語感が似ているのだ」などと注釈をつけなくてはならなかった。

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