五輪のOA枠。サッカー協会はその選考責任から逃げてはいけない

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 8月17日、リオデジャネイロ五輪男子サッカー準決勝が行なわれ、ブラジルとドイツが決勝進出を決めた。

 ブラジルvsドイツと言えば、2年前のW杯準決勝で、地元ブラジルが1-7の屈辱的敗戦を喫したことは記憶に新しい。ブラジル国内では、今回の五輪代表への関心はそれほど高くなかったと聞くが、決勝という大一番での相手がドイツと決まり、にわかに注目が高まっている。

 今回のブラジル五輪代表の中で、最も注目されている選手は、言うまでなくFWネイマールである。名実ともにチームの中で突出した存在であるうえ、チームのキャプテンでもあるのだから当然だ。

ブラジルはオーバーエイジ枠のネイマールがチームをけん引ブラジルはオーバーエイジ枠のネイマールがチームをけん引 だが、そんなネイマールは24歳。五輪出場の年齢資格である23歳以下に該当する選手ではなく、オーバーエイジ枠での出場である。ブラジルはネイマールの他、GKウェヴェルトンとボランチのMFレナト・アウグストがオーバーエイジ枠で加わり、強固なセンターラインを形成している。オーバーエイジ枠の選手が中心的役割を果たしているという点では、対戦相手のドイツもまた同じである。

 世界的に見て、五輪代表は急造チームであるケースがほとんどだ。事実上、五輪本番のためだけにチームを編成するというのが実体であり、日本や韓国のように何年も前にチームを立ち上げて準備をし、本番に臨むような国はむしろ例外的だ。

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