リオ五輪女子サッカー決勝に見る。なでしこ「4年後のVロード」

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 リオデジャネイロオリンピックで女子サッカー決勝が行なわれ、ドイツがスウェーデンを2-1で下して初の金メダルを獲得した。

 女子サッカーにおいて最高峰とされるのは、このオリンピックの舞台。各国、ここを集大成としてチームを作り上げてくる。前回大会で銀メダルのなでしこジャパンは出場が叶わなかったが、リオでは世界中から集結した強豪がしのぎを削り、勢力図は新たに書き換えられた。

意外にも、オリンピック優勝は初めてだったドイツ代表意外にも、オリンピック優勝は初めてだったドイツ代表 ここから東京までの4年で、さらなるレベルアップがなされるだろうが、先にチーム作りをスタートさせた日本にとっても、取り組むべき方向性を感じ取ることができる戦いが数多くあった。

 ベスト4に残ったのはドイツ、スウェーデン、カナダ、そして開催国のブラジル。ベスト4の常連ともいえるアメリカが姿を消していることも驚きだ。金メダルに輝いたドイツは、女子ワールドカップで史上初の2連覇(2003年、2007年)を成し遂げているものの、オリンピックは初制覇。

 フィジカル強化された選手揃いであるのは当然のこと、攻守において最もバランスが取れているチームだった。決勝では、スウェーデンの守備の前に苦しめられたが、後半3分に先制弾を放つ。右からのパスを受けたマロジャンが完璧にボールをコントロールすると、DFを寄せずに一気に右足を振り抜いた。常に人に対してプレッシングをかけていたスウェーデンDF陣が初めて与えた"隙"を見逃さないのもドイツの強さだ。

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