リオ五輪女子サッカー決勝に見る。
なでしこ「4年後のVロード」 (4ページ目)
そして迎えた決勝。別チームかと思うほど、スウェーデンは一気に攻撃を仕掛けたのである。相手に応じて、勝つために策を講じたスウェーデンは、結果的にオウンゴールに泣くことになったが、指揮官はうなだれる選手たちにこう声をかけた。「私たちは金メダルを逃したのではなく、銀メダルを獲得した」。表彰式でのスウェーデンの選手たちの晴れ晴れとした表情には誇りが満ち溢れていた。
今大会、スウェーデンは自分たちのサッカーのポイントを流れに合わせて移行させてきた。この対応を実現できたのは組織力だ。日本も誇れる組織力がある。こうしたフレキシブルさも、日本には必要なことであるだろう。
リオ五輪の上位チームに見る女子サッカーの流れから、日本が歩むための道しるべは見つけられるはずだ。強みは各国それぞれにある。しかし、劣勢になったときにこそ、絶対的に自分たちが信じられる柱がなければ世界とは戦えない。ここから、世界各国は4年後の東京オリンピックに向けて再び新たなチーム作りを始める。強豪国は最低限でも今大会の決勝レベルにはチームを仕上げ、+αの特長も見出してくるだろう。
なでしこジャパンにとって他国の追随を許さないほどの強みとは何だろうか。鉄壁の何をもしのぐ守備力か、どんな状況でも打開できる攻撃力か、攻守自在の連動なのか――。
どれも今や、誰もが取り入れることができる要素だけに、厳しい道のりである。なでしこジャパンがどのような形で互いを信じ抜ける強みを生み出し、この強豪の中に戦いを挑んでいくのか。これからの4年間に想いを馳せずにはいられないリオデジャネイロオリンピックだった。
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