元なでしこ・永里亜紗乃が語る「引退した今だから伝えられること」 (5ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 このときチームメイトだったのが熊谷紗希(オリンピック・リヨン)と宇津木瑠美(シアトル・レインFC)だ。現在は新生なでしこジャパンの中心メンバーになりつつある。

「2人は本当に守備範囲っていうか、プレー範囲が広い。特に紗希とは付き合いもユースのときからですからもう......8年。すごく成長を感じたのはロンドンオリンピックのときです。もはやドッシリした雰囲気が出て若手感ゼロでしたよね(笑)」

 切磋琢磨してきた同士だからこそ、託したい想いもある。

「締めるとこ締めるっていうところが紗希のいいところ。これからはもう自分より下しか入ってこない。オリンピック・リヨンでやっているいいところをもっと細かく伝えていってほしいなって思います。ゆくゆくはキャプテンになってほしい」

 亜紗乃らが、なでしこジャパンに招集されるようになったのは10代後半。それを考えると今の若手の成長に不安も感じる。自分が海外へ出て環境を変えたことで得たものを実感するからこそ、芽生える感情もある。

「(若手が)もっと出てきてほしい。(選択肢として)海外に出るという道もある。例え失敗してもまだ20歳そこそこならいくらでも立て直せる。海外で通用するかわからないから出てみるっていう考え方もあると思うんです」

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