2016.07.03

7月3日。「中田英寿の引退から10年」で
フランスの空に想う

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki  photo by AFLO

 ユーロ2016の取材でフランス各地を訪問中だ。会場のひとつであるリールにも再三、足を運んでいるが、そこで視察中の日本代表監督、ヴァイッド・ハリルホジッチの姿を確認することもできた。

 リールとハリルホジッチと日本人――。この関係で想起するのが、2001-02シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)だ。

2006年、ブラジル戦に敗れたあと、7月3日に中田英寿は引退を発表した その予備予選3回戦「パルマ対リール」のホーム&アウェー戦、それぞれの現場に僕はいた。パルマの一員として、中田英寿が突破をかけて出場したからだが、相手方であるリールの監督がそれから10数年後、日本代表監督の座に納まることになるとは、そのとき、つゆも思わなかった。

 パルマはリールに対して、絶対優位と言われていた。前シーズン(2000-01)のセリエA4位チームながら、メンバーは豪華。世界的に名の知られた選手ぞろいだった。当時のセリエAは、欧州ランキング首位の座をスペインに譲っていたとはいえ、欧州にあっては”花形”で、パルマを含むその上位7クラブは、「ビッグ・セブン」と呼ばれていた。そのいずれのチームが出場しても、CL本大会で16強以内を狙う力を備えているように見えた。

 予備予選3回戦は突破して当然。しかも相手は、フランスリーグ(2000-01)3位のチーム。2部から昇格し、いきなり3位になった昇り調子のチームとはいえ、メンバーの顔ぶれを比較すれば、波乱が起きそうには見えなかった。