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オランダに完敗。なでしこがリオ予選前に「大急ぎでやるべきこと」 (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 4分の失点の段階で少なくともこの2人は、簡単に受けられるパスではオランダを崩すことができないことを感じ取っていた。相手が取れない、そして自分が取れる"最大限"の位置を探っていたのである。おそらくそれは十数センチ単位の細かさだ。宮間も、「次に同じ場面が来たとしてもあのパスを選択する」と言い切った。

 この"最大限"の位置取りを何人の選手が意識していたか。敗因のひとつは間違いなくそこにある。この意識は攻守に共通して必要なものだ。これまでと同じようなパス回しでは、もはや日本は勝つことが難しいのだ。どれだけ受けにくい位置でボールを受け渡せるかが重要なのであって、受けやすさへの改善はそこからのこと。どうもこの順序が逆になっているような気がしてならない。

 この2失点があったことで、2月から始まるオリンピック予選は、カウンターを狙われるだろう。

「ミスはあったとしても失点は防げたはず」と悔しさをにじませたのは守備の要・熊谷紗希(オリンピック・リヨン)。最終ラインでもテストはされていた。けれど日本の誇る連係・連動は1週間で体得できるものではない。個の向上も必要だが、この時期でもう線引きをするべきだ。

 なでしこの代名詞である連係・連動のクオリティもこれまでと同じレベルではアジアでも通用しない。ワールドカップでは大会が始まってからも、個を引き出しながらのペアリング作業に追われていた。

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